YouNet 知ってトクする福祉の知識(1)・・・(210422掲載)
              〜病院で困ったときは         
                    ソーシャルワーカーに相談を〜
尾北医師会 地域ケア協力センター
高藤真弓 平澤恵美
みなさんはじめまして。私たちは尾北医師会地域ケア協力センターのソーシャルワーカーです。みなさんはこれまでに、ソーシャルワーカーという職業の人に出会ったことはありますか?出会ったことがない、ソーシャルワーカーという言葉をはじめて聞いた、という方も多いと思いますが、ソーシャルワーカーは「誰もがより充実した人生を送れるような手助けをする」社会福祉の専門家です。では、いったいどんなときに・どんなことを手助けしてもらえるのでしょうか。このシリーズでは、知っておくとあなたの生活にちょっとオトクな社会福祉の仕事やサービスを分かりやすく紹介していきます。
●アルバイト中に骨折してしまった・・・
○▲病院には医療福祉相談室があり、通院や入院中の患者さんの相談に対応するソーシャルワーカーがいます。ある日、相談室に1人の高校生がやってきました。高校1年生のA君は、アルバイトに行く途中に自転車で転び、左腕を骨折してしまいました。A君のお母さんは、彼がまだ小さいときに亡くなって、お父さんと2人で暮らしています。お父さんは勤め先の会社が閉鎖したため、今は失業保険を受けながら新しい仕事を探しています。A君は学費と生活費を少しでも自分で稼ごうと、学校が終わった後と休みの日に、ファストフード店でアルバイトをしていたのです。病院で骨折の手当を受けたのですが、治療費が払えずに困り、相談室の案内を見つけて訪ねてみることにしました。「今日の手当てはもちろん、これからしばらく通院が必要と言われて・・・」。医療費がどれだけかかるのかわからずA君はとても不安。A君の事情を聞きソーシャルワーカーは次のような説明をしてくれました。「労働者災害補償保険法(労災保険)という法律があって、仕事中や通勤中に事故にあったりケガをしたりしときは、保険で医療費を払ってもらえる制度がありますよ。アルバイトの方ももちろん対象になりますから、安心して下さいね」。それを聞いてA君はホッとしました。
                     
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このように、突然の病気やケガによって困ったことが起きたときには、病院のソーシャルワーカーを訪ねてみてください。きっと力になってもらえることでしょう。
※ 最近では多くの病院にソーシャルワーカーが配置されるようになりましたが、配置されていない医療機関もあります。


労災保険とは
業務や通勤による負傷・疾病・障害・死亡に対して必要な給付をおこなう制度。業務災害は、仕事によって発生した災害に対して行なわれるもの。通勤災害は、住居と就業場所の往復・就業場所から他の就業場所への移動によって受けた災害に対して行なわれますが、通常の通勤経路以外で災害にあった場合は認められないことがあります。
 
〜尾北医師会地域ケア協力センター〜
犬山、江南、扶桑、大口の2市2町の地域医療を担う医師会員で構成する社団法人「尾北医師会」(大口町下小口六丁目)が設置する「地域ケア協力センター」。誰もが地域で暮らし続けるため、保健・医療・福祉サービスの地域ケアシステム化の構築に力を注ぐ。(問)0587-95-7027

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