お墓は家族の絆の象徴・・・240825掲載

高木石材店代表 鈴木一成さん(39)
「この店は昭和49年に義父が創業したものです。その義父が急逝して、後継者がいなかったこともあって廃業する話も出ましたが、やってみようと声をあげました」と話すのは高木石材店=犬山市大字上野=代表の鈴木一成さん。当時、鈴木さんは食品会社の営業マン。サラリーマン生活は10年目を迎えていました。石材の知識も、それを扱う経験もありません。会社勤めを続けながら、石材店の仕事も手掛けていたそうです。そんな生活を1年ほど送った後、鈴木さんは石材店に専念する決意を固め、会社を退職します。「苦労したという感覚はなかったですね。戸惑うことは当然ありましたが、むしろ面白いと思っていました」と振り返ります。以来7年、墓石用免震ゲルを導入した地震対策や、タブレット型コンピューターiPadを使ったお墓の完成予想CGの提示など、最新の技術や機器なども取り入れ、新たな高木石材店を構築してきました。好奇心旺盛で勉強熱心な鈴木さんならではのことです。ここ数年、そんな鈴木さんには思うことがあります。「ただ商品(お墓)として売ればいいと、単純に片付けられないのでは、と考えるようになりました」。鈴木さんは昨年の夏、栃木県佐野市のお寺で開かれた、あるイベントについて話をしてくれました。日本青年会議所石材部会(全国約250人の石材業者による部会)が、親子や家族を対象に実施したものです。石を使った照明「石あかり」の工作や、両親、祖父母、曾祖父母と先祖を遡りながら、名前やエピソードを書き込んでいく家系図づくりなどが行われたそうです。「紹介したイベントは、根底にはお墓の購買に結びつける狙いもありましたが、家族や先祖との絆を深める機会づくりになったのではないでしょうか。お墓は先祖供養だけでなく、家族が集まる場であり、ときには自分の心を逃がす場でもあると思います。家族の絆の象徴がお墓と言っても良いかもしれません。先祖への感謝や家族の繋がりなど、お墓の意味や役割について、多くの人たちに広めていくことも石材店の大切な役目と考えます。今後はそんな思いも仕事のなかに活かしていきたいですね」と鈴木さんは意欲を見せます。

高木石材店
http://www.takagi-stone.com/


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