シリーズ  知多四国八十八ヵ所霊場 戻る

〜23.01.15掲載〜
●弘法大師・空海ゆかりの寺
開創の発願から200年余の歴史がある「知多四国八十八カ所霊場」を紹介するシリーズの第2回。霊場の札所は一番から八十八番までのお寺と、開山所3カ寺・番外7カ寺を合わせて98カ寺あります。全行程はおよそ194キロメートル。知多四国の札所巡りは知多半島の東側に沿って南に向かい、半島先端の師崎から日間賀島・篠島へ渡り、再び半島の西側を北に上って大府市で満願成就となります。今回紹介するのは第三番普門寺から第十四番興昌寺までの12カ寺。知多四国霊場でまつる空海(774〜835)は平安時代の僧。遣唐使船で唐に渡り真言密教を日本に伝えました。空海ゆかりの寺々を巡るのが四国の八十八カ所霊場。知多(愛知県)、小豆島(香川県)、篠栗(福岡県)の三霊場を「日本三大新四国霊場」といい、いずれも空海ゆかりの地で、毎年多くのお遍路さんが訪れています。空海のおくり名は「弘法大師」、密教での名は「遍照金剛」。一般には「お大師さま」として宗派を超え、時代を超えて信仰を集めています。
第三番 海雲山 普門寺(ふもんじ)
大府市横根町石丸95  【宗派】曹洞宗 【本尊】十一面観世音菩薩
知多八十八カ所霊場のほか、尾張三十三観音霊場、知多三十三観音霊場、大府七福神霊場の4つの霊場を兼ねている。平成19年に弘法堂とともに境内も美しく整備された。

延命寺の総門
第四番 宝龍山 延命寺(えんめいじ)
大府市大東町1ノ279  【宗派】天台宗 【本尊】延命地蔵菩薩 
鎌倉時代に盛祐上人によって開基されたといわれ、かつては七堂伽藍の大寺院であったが戦火のため焼失。往時をしのばせる立派な山門は市指定の文化財。
第五番 延命山 地蔵寺(じぞうじ)
大府市長草町本郷40  【宗派】曹洞宗 【本尊】延命地蔵大菩薩
天正5(1577)年に、地頭市村伝四郎の勧請により建立された。大府七福神霊場。毘沙門天は多聞天とも呼ばれて、各種の厄災を除き悩みを聞いてくださる神様。
第六番 萬年山 常福寺(じょうふくじ)
大府市半月町3ノ151  【宗派】曹洞宗 【本尊】千手観世音菩薩
壇ノ浦の戦いで破れた平氏の侍大将で「悪七兵衛景清」と恐れられた平景清が、この地に逃がれ草庵を結んだのが寺の起こりといわれている。境内には白砂の庭園がある。
第七番 彼岸山 極楽寺(ごくらくじ)
知多郡東浦町森岡岡田51  【宗派】曹洞宗 【本尊】阿弥陀如来
永享2(1430)年玉海通公大和尚が開創した寺。薬師堂には薬師如来、秋葉権現がまつられ「抱き地蔵」は敬われている。
第八番 上世山 傳宗院(でんそういん)
知多郡東浦町緒川天白48  【宗派】曹洞宗 【本尊】延命地蔵菩薩
寺のある緒川は家康の母、於大の方の出生地。弘法堂の脇には「妙法さま」がまつられ、女性の病いに御利益があるといわれている。
第九番 浄土山 明徳寺(みようとくじ)
知多郡東浦町石浜下庚申坊70  【宗派】浄土宗 【本尊】阿弥陀如来
法然上人の孫弟子が元中8(1391)年に「明徳堂」を創建したのが始まり。毎年5月5日の花まつりには、夫婦和合、金運に御利益があるといわれる秘仏歓喜天が御開帳される。
第十番 福聚山 観音寺(かんのんじ)
知多郡東浦町生路狭間2 【宗派】曹洞宗 【本尊】聖観世音菩薩 
寛文3(1663)年観音堂が創建され、昭和17年、観音寺となり住職は近くの常照寺、神後院が6年交代で兼務している。本尊は有名な行基の作といわれている。
第十一番 光明山 安徳寺(あんとくじ)
知多郡東浦町藤江西之宮82  【宗派】曹洞宗 【本尊】釈迦牟尼仏
広い境内と大きな本堂。本堂にまつられている薬師如来像は恵心僧都作とされ、町文化財に指定されている。明治6年には藤江小学校の前身である「反強学校」を開設した。
第十二番 徳応山 福住寺(ふくじゅうじ)

福住寺
半田市有脇町6ノ18  【宗派】曹洞宗 【本尊】無量寿如来
桶狭間の戦い前年の永禄2(1559)年、砦の鎮護にしたのが寺の始まり。山内には千体地蔵堂などがある。場所は有脇小学校の南側。
第十三番 板嶺山 安楽寺(あんらくじ)
知多郡阿久比町板山川向21  【宗派】曹洞宗 【本尊】無量寿如来
文禄2(1593)年洞雲院二世久山昌察大和尚を開山として創建。近年では大正10年に伽藍諸堂を整備して復興。昭和40〜50年代にも堂宇が相次いで再建された。境内には大銀杏がある。
第十四番 円通山 興昌寺(こうしょうじ)
知多郡阿久比町福住東脇10  【宗派】曹洞宗 【本尊】華厳釈迦牟尼仏
永禄3(1560)年桶狭間の戦いに敗れた今川勢の家臣が、緒川の乾坤院四世亨隠慶泉大和尚を迎えて開山。門前には知多四国霊場を開創した三人のうちの一人、岡戸半蔵行者をまつった行者堂がある。
◎遍路の心得
(1)札所へ到着したら合掌して一礼します。
(2)手を洗い、口をすすぎ、身を清めます。
(3)先ずご本尊様をお参りし、次にお大師様に参り、ろうそく・線香をささげます。
(4)納め札や写経などを納め、おさい銭を納めます。
(5)合掌し、心をこめてお経(般若心経・光明真言・南無大師遍照金剛ほか)を唱えます。
(6)納経所で納経印を頂きます。
(7)札所を出発する時は合掌して一礼します。
※納経所受印時間(3〜9月午前6時〜午後6時、10〜2月午前7時〜午後5時)